物理に基づく深度ノイズ分解でsim-to-realを改善
実世界の深度センサのノイズはシミュレーションと大きく異なり、sim-to-real転移の障壁になっている。PRISMはこのノイズを「センシング無効化」と「計測誤差」の2種に分け、物理的な発生源ごとに扱う枠組みである。3D視覚基盤モデルの特徴を空間的・意味的な事前情報として蒸留し、まばらな無効領域には階層的な正例優先の教師信号を用いる。ノイズ付き深度の合成で最高水準の忠実度を示し、実ロボット実験では平均成功率92.1%を達成した。同日の話題として、単一のRGB-D入力から物体姿勢を推定するF2G-Poseも28FPSで動作しSOPEとROPEで最高精度を報告している。
物理AIの再帰的自己改善を整理したサーベイ論文
NUS、HUST、SJTU、NTU、HKBUの研究者が、物理世界のロボットにおける再帰的自己改善(RSI)を論じる論文をarXivに投稿した。RSIとは、挙動だけでなく改善の過程そのものも改善していく仕組みである。部分的な観測や高コストな試行、不可逆な結果といった物理環境の制約を踏まえ、ロボット学習の中での位置づけと道筋を整理している。既存研究は操作タスクが中心で、挙動の改善や後続の学習への効果、手順の改善は確認されている。一方、再帰そのものに起因する利得を切り分けた物理実験はまだないと指摘する。評価の原則と今後の研究方向もまとめている。
南アの小学校がロボコンで3賞、1位に輝く
南アフリカ・ジョージ地域で10月17日(土)、Inkcubeko Youth Science Centre主催のロボット競技会がPacaltsdorp Primary Schoolで開かれた。地域の学校から20チームが参加し、同センターとしては最大級の大会となった。Hibernia Primary Schoolが1位を含む3賞を獲得した。Jonga High SchoolとImizamo Yethu Secondary Schoolも入賞した。基調講演では、林業分野でのロボットやAIの活用と持続可能性の重要性が語られた。
泰山の石段でロボット競技、10月29日に初開催
中国メディアグループ主催の第1回CMG World Robot Mount Tai Competitionが、2026年10月29日に山東省泰安の泰山で開かれる。コースは紅門から中天門までの約3.8kmで、3,100段超の石段を登る。競技はスピードレースと特別課題の2部門である。ヒューマノイド、脚式、荷物運搬脚式、外骨格支援登山の4種目があり、別に全地形偵察チャレンジも行われる。
接触力を予測する世界モデルで挿入成功率が向上
接触力が必要な操作では、視覚だけでは荷重情報が得られない。CW-WAMは映像・動作・接触レンチを同時に予測する世界行動モデルで、動作と力を対にして扱う注意機構と長い力の記憶を備える。予測した力は20Hzの外側ループのアドミタンス制御器に参照値として渡される。1mmクリアランスの角ペグ挿入成功率は25%から70%、電源アダプタは40%から95%に向上した。力参照のRMSEもペグ挿入で4.8Nから2.7Nに下がった。
人間のRGB動画から両手の器用さを事前学習
RGBのみの人間動画から3D空間に根ざした両手の器用操作を学ぶ枠組み「SpatialDex」が発表された。各動画から場面の形状を復元して手の動きを推定し、手の大きさの事前知識でスケールを揃える。復元した形状は方策の入力と予測対象の両方に使い、視覚言語モデルのトークンに融合する。100万クリップで事前学習し、少数のロボット実演で微調整した結果、シミュレーション9課題で最先端手法を16.5ポイント、実機の両手6課題で38.3ポイント上回った。形状を使わず手の動きだけで事前学習した場合との比較でも、成功率が14.2ポイント向上している。
人の動きを因果的に写すヒューマノイド用リターゲット
人間の動作をヒューマノイドへ変換するモーションリターゲットに関する研究が2件、arXivに投稿された。SMRは、意味を保つ目標を物理シミュレーション上の専門家方策で追従させ、その軌跡から現在と過去のフレームだけを使う因果的Transformerを学習する。Unitree G1の固定コントローラで、400件のテスト動作の97.0%を完遂し、1フレーム0.37 msで動く。SP-HLMは5つの重要な身体姿勢と潜在動作事前分布を組み合わせ、VLAがまばらな姿勢を予測して全身動作を実時間で復元する。シミュレーションと実機で、追従性能と移動を伴う操作の成功率の向上を示した。
自己進化するハーネスで履歴依存の操作を改善
中国科学技術大学や上海AIラボらが、VLMを編集可能なハーネスでロボットエージェント化するSERAを提案した。長期タスクでは進捗や過去の結果を保持する非マルコフ的な依存が生じる。SERAは観測と実行結果からタスク文脈を更新し、次の計画に反映する。低レベル制御は固定のVLAが担い、環境ロールアウトでハーネスの修正案を評価して選ぶ。RoboMMEで自律選択時の全体成功率は51.38%となり、自己進化なしの44.38%を上回った。
次の足場だけを見る人型ロボットの歩行知覚
ETHの研究チームが、人型ロボットの不整地歩行で使う標高マップを、次の足場の周辺だけに絞る手法を提案した。軽量な足場予測モデルが固有感覚と速度指令から次の2歩を予測し、その周囲の7×7パッチだけを方策に与える。入力は全体スキャンの693点から102点に減り、同じ地形難度に達するまでの学習反復は約3分の1になった。足場がまばらな環境や未知の地形でも全体マップ方式を上回り、計算コストが数倍の注意機構型エンコーダとも同等の性能を示した。Unitree G1にゼロショットで移植し、階段や段差、隙間を屋内外で踏破している。
言語を行動表現にする潜在世界モデルLaLa-World
言語を共通の行動インターフェースとして使い、シミュレーション、ロボット軌跡、画像、動画から学習する潜在世界モデルLaLa-Worldが発表された。数値の行動や視覚変化を言語で記述し、言語モデル上に構築した単一の予測器で異種データを横断学習する。各領域・タスク別に学習した既存の潜在世界モデルよりMPC計画性能が高く、動画生成モデルのベースラインと同等の性能を学習コスト6分の1、計画13.9倍速で達成した。さらに方策へ微調整したLaLa-Policyは、LIBEROとRoboCasaでCosmos Policyと競合し、推論は最大5.5倍速い。
学生が中高生向けロボット競技を考案
学生たちが、中学生と高校生が出場するロボット競技会向けのチャレンジ課題を設計したと、Calexico Chronicleが2026年10月21日に報じた。生徒自身が競技の内容づくりに関わった点が特徴である。本文は取得できておらず、課題の具体的な内容、開催日程、会場などの詳細は不明である。
運用しながら学ぶ人介入型オンライン後学習TIDE
事前学習済みロボット基盤モデルを、現場で動かしながら改善する後学習システムTIDEがarXivで発表された。人の介入データと方策自身の実行データを、出自を条件にした教師あり学習でオンライン更新する。価値関数や報酬モデルなどの補助モデルは使わず、学習の複雑さと不安定さを避ける。双腕の実機4タスクで、ウォームスタート方策や同量のオフライン実演を追加した場合より進捗と完遂率が向上した。1タスクあたり1時間未満で最終チェックポイントまで到達する。
因果知識でMLLMのロボット計画を強化するCausGround
CausGroundは、行動の前提条件と効果を因果知識として蓄積し、再利用する非パラメトリックな枠組みである。物体の属性や関係を表す世界状態の上で、前提の後ろ向き推論と効果の前向き推論を行い、行動選択や複数手順の計画に生かす。VirtualHomeでは平均タスク成功率が24.9%から53.3%へ、RoboCasaでは閉ループ計画成功率が43.0%から57.0%へ上がった。パラメータ更新なしで実ロボットの逐次操作にも適用できた。同じ話題として、長期の身体性エージェントを評価するTARSphereやSCOPEなどの関連研究も報告されている。
バミューダの高校生チーム、米アトランタでFTC初戦へ
バミューダ代表のロボットチーム「Bermy Bots」が、2026-27年シーズンのFIRST Tech Challenge初戦に出場するため米ジョージア州アトランタへ渡った。Connectech Codingが支援し、初日からの2日間はジョージア工科大卒業生や航空宇宙技術者、元NASA職員らの指導を受けながらロボットを製作する。10月24日(土)に最初のリーグ戦に臨む。各戦の結果がランキングに反映され、2月の州選手権を経て世界選手権を目指す。チームは出発前に9〜14歳向けの無料ロボット製作・コーディング講座も開いた。
テスト時に誘導できる人型ロボットの転倒復帰
人型ロボットの転倒からの起き上がりを、推論時にタスクの目的で誘導できる手法「RISE」が発表された。共通の動作を組み合わせて多様な復帰動作の語彙を作り、センサ入力から動作を生成する。視覚拡散プランナーが将来の身体状態として動きの意図を予測し、向きや起き上がり速度、経路といったコストでそれを操作する。深度観測により、障害物や段差のある地形にも適応できる。再学習なしでシミュレーションにて多様な復帰と誘導を示し、実機のUnitree G1でも実演した。
ジャザン教育局がWROで2位・4位入賞
サウジアラビアのジャザン地域の教育関係チームが、World Robot Olympiadで2位と4位に入賞したと、サウジ通信が伝えた。入手できた情報は見出しのみで、大会の開催地や部門、出場チームの詳細は不明だ。
サウスカロライナの高校ロボチーム、地域の祭典で実演
サウスカロライナ州の高校生ロボットチーム「Due Westerners」が、グリーンウッド中心部のiMAGINE STEAM Festivalでロボット「Quick Draw」を実演した。ボールを発射して得点する機体で、製作に約6週間かかった。来場した子どもたちがボールを入れ、チームが操縦して競技の仕組みを見せた。チームは非営利団体Due West Roboticsの一員で、FIRST Robotics Competitionに参加している。11年生で電気担当のAbby Whitwoodは、4年前に祭りでチームと出会い入部した。
コード計画と世界モデルを統合する行動モデル
ロボット操作向けのワールドアクションモデル(WAM)に関する論文が複数、arXivに投稿された。AW-0は、コード、将来映像、ロボット行動の3つの流れをMixture-of-Transformersで同時に生成し、コード計画と物理的な予測を結び付ける。生成したプログラムはスキルとして再利用でき、RoboTwin 2.0と双腕の実機タスクでVLAやWAMの基準手法を上回った。FREDは単一ノイズ除去ステップで得る将来映像表現を自己蒸留で改善し、人の動画だけで示したタスクの成功率を、最良の競合の19.4%に対し50.0%にした。ほかに4D幾何を統合したUniFlowWAMや、物理較正、骨格に基づく潜在行動モデルも報告された。
ガーナ大会でナイジェリアの学校が革新賞と最優秀コーチ賞
2026年10月9日、アクラのガーナ大学レゴン校で開かれたGhana Robotics Competitionで、ナイジェリア・ラゴスのWhitesands Schoolチームが最優秀イノベーション賞と最優秀コーチ賞を受賞した。同チームは大会唯一の招待海外チームだった。今年のテーマは「持続可能なアフリカのためのAIとロボティクス」。出展は水質監視と浮遊ごみ回収を行う自律浮遊ロボットAquapod、オフライン型の農産物記録システムFarmlink、収穫後の腐敗を防ぐ保管監視システムHarvestGuardの3作品。
VLAの不確実性推定と実行監督を効率化する研究群
VLA(視覚言語行動)政策の信頼性向上を狙う4本のarXiv論文が相次いだ。単一ポリシーの埋め込みからGaussian過程の条件付き分散で認識的不確実性を推定する手法は、SmolVLAとLIBERO-10の実験でアンサンブルに匹敵し、スコア算出時間を最大約50分の1に減らした。FastHarnessはGPT-6 Astraによるπ0.5の監督頻度を経験から調整し、レビューのトークン使用量を平均57.2%削減、成功率を80%から97.19%に高めた。Echoは停止・失敗信号を行動チャンクに加えて同時にデノイズし、成功・失敗の判定と行動生成を一つのVLAで担う。ほかに実行可能な記憶を扱うストリーミング推論の研究もある。
PACK EXPOの高校生競技、ベッカー高とレガシー高の連合が優勝
PACK EXPO Internationalで開催された2026年のPACK Challengeで、Becker High SchoolとLegacy Christian Academyの連合チームが第1位を獲得した。高校生によるパッケージングの競技会である。本文が取得できておらず、ロボット要素や競技内容の詳細は不明である。
LiDAR距離画像の事前学習で四脚ロボットが群衆内を移動
RangeNavは、パラメータ数183kと小型のLiDAR距離画像エンコーダで、合成データのみで事前学習する。再構成、意味分割、俯瞰図予測を組み合わせた目的で学習し、その後は固定して方策学習に使う。意味とBEVの教師を加えると、再構成のみの基準より成功率が学習環境で平均32.03pp、未知の現実的環境で23.73pp向上した。Unitree B2-Wでの実機検証では、追加学習なしで密集した人混みや暗所、工事現場を通過できた。同日には、軽量MLPを用いた自動運転計画DriveMLPも、nuPlan Val14 Reactiveで86.51点を記録している。
3Dプリンタで作れるリンク駆動の人型ロボットハンド
NJITの研究チームが、リンク駆動で1本の指に3つの駆動自由度(3-DOA)を持つ人型ハンド「PHD-Hand」を発表した。柔軟ヒンジとばね鋼の駆動ロッドで駆動機構を簡素化し、1本あたり約13点の部品で安価な3Dプリンタと市販サーボから製作できる。腱駆動の摩耗やコストの問題を避けつつ、人間の手に近い200mmの大きさを実現した。運動学は分離され、双方向駆動とバックドライブが可能である。試作機で把持と物体操作を評価しており、成果はIEEE-RAS Humanoids 2026に採択された。
予測幾何と感覚運動整合で操作ポリシーを高める研究
ロボット操作の基盤モデルに関する論文が2本出た。一つは、凍結した3D基盤モデルの幾何特徴から予測的な幾何表現と、行動に効く運動表現を学ぶ二段階の枠組みである。LIBERO、SimplerEnv、実世界の双腕・単腕タスクで方策を改善し、WidowX評価では絶対値で10.4ポイント向上した。推論時に未来観測は不要で、複数のVLAやWAMにも転用できる。もう一つはSensorimotor Alignment(S²)で、感覚表現と軌道の近傍の重なりを測る学習不要の指標だ。S²が高いモデルほどタスク成功率が高い傾向があり、閉ループ評価前にモデルを選ぶ安価な代理指標になる。
微分可能世界モデルで人型の全身制御を高速学習
SuperMimicは、人間の動作データを追従するヒューマノイド全身制御を、1つの微分可能な世界モデルで学習する手法である。剛体シミュレータの遷移データから世界モデルを作り、方策と同時に学習して、短い想像上のロールアウトの勾配で方策を更新する。H100 1枚で3時間の学習により、SONICが128GPUで7日かけた水準の報酬を上回り、GPU時間は1000倍以上減る。129,514件のベンチマーク動作で失敗は25件で、SONICの179件より少なく、2GPUで9.8時間なら0件になる。実機のUnitree G1でも多様でアクロバティックな動作を実現した。
汎用モデルが触覚で操作、専用VTLAに匹敵
2026年10月20日にarXivへ、触覚を扱うロボット操作に関する論文が複数投稿された。GPT-as-Tactile-Policyは、専門家デモを作業指針と触覚参照に要約し、汎用マルチモーダルモデルGPT-6-Astraが触覚フィードバックで動作を修正する。ロボット専用の事前学習やタスクごとの微調整なしで、UniVTACの5タスクで平均成功率93.8%を達成した。Insert Holeでは触覚により成功率が31%から99%に向上した。T-WLAは視覚メモリを共有して触覚修正を行う手法で、指関節MPJPEを30%低減し、実機の成功率は約50.0%だった。
任意の骨格で動画と3D動作を同時生成するNVIDIAのモデル
NVIDIA Researchが、テキストから動画と同期した3Dモーションを任意の骨格(リグ)向けに同時生成するモデル「JCA」を発表した。動画生成モデルは現実的な動きを描けるが、特定の3Dアセットに再生可能な動きとして返せなかった。そこで3Dモーション用の別モデルを、少数のクロスアテンション層で事前学習済み動画モデルとつなぐ構成を採った。関節の位置を動画内で推定することでカメラも復元し、動きを3Dシーンに配置できる。人間やロボットの動画を含む約20万の学習ペアで訓練し、動画優先の手法よりテキストに忠実に動かせると評価された。キーフレームによる軌道制御や、動画と動作の相互変換にも対応する。
凍結した一段生成方策を潜在ノイズ補正で後学習
人手のデモには迷いや非効率な動きが混じり、通常の模倣学習では質の低い動作まで再現してしまう。AWLSは、事前学習済みの一段生成方策のデコーダを凍結したまま、潜在ノイズに対する観測条件付きの小さな残差補正(residual noise shaper)だけを学習するオフライン後学習手法である。アドバンテージは勾配を流さず教師あり重みとしてのみ用い、批評家の誤差増幅や事前分布からの逸脱を抑え、高速な一段推論も保つ。ノイズ摂動への応答性でチェックポイントを選ぶ基準も提案した。シミュレーションと実機5タスク(各20回試行)で、基本方策を上回る結果を示した。CoRL採択の研究である。
多視点の潜在行動で動画から異種ロボットへ学習
行動ラベルのない動画からロボットの方策を学ぶため、複数カメラの映像を使う潜在行動モデル(LAM)が提案された。従来の単一視点では奥行き方向の動きや遮蔽が曖昧になるため、クロスアテンションで視点を統合してから潜在行動に圧縮する。2視点にすると正解の6D行動の復元精度が単一視点より17%高まった。下流方策の成功率は単一視点LAMの+6.2%に対し+13.5%向上した。人の手の実演を使う実機の850回の試行では、行動のみの方策より成功率が+20%高かった。
数秒の人間動作から多指ハンドの技能を獲得するAdaDex
数秒の手と物体の軌道1本から、適応性のある多指ハンド技能を学習する強化学習枠組みAdaDexが発表された。モーションキャプチャや実写動画の再構成データを使う。人間らしさを植え付ける動作追跡環境と、ノイズを加えた初期状態・目標で汎化を促す環境の2群で共通方策を学習する。把持、物体の再配置、指歩行を伴う持ち替え、投げ受けなどを獲得し、ベースラインより汎化性と機能性で上回った。シミュレータ間や実機への転移も示している。