フィールド
農業、建設、インフラ点検、災害対応、宇宙、海洋、屋外移動ロボット、ドローン
背中に脚を足す装着型ロボット「ケンタウロス」
中国・深圳の南方科技大学のChenglong Fu教授らの研究チームが、装着者の背後に独立した2本の脚とロボット胴体を取り付ける装着型ロボット「Centaur」を開発した。荷重を人の脚ではなくロボット側で支える設計で、人体とは非線形剛性の受動弾性カップリングで接続する。参加者5人による20kgの荷物運搬試験では、荷重の半分強をロボットが負担した。通常のバックパックと比べ、歩行の正味代謝コストは35.16%低減した。成果はInternational Journal of Robotics Researchに掲載された。
空気圧2個で3D遊泳、ウミシダ型ソフト水中ロボ
ノースカロライナ州立大学が、ウミシダに着想を得たソフト水中ロボットを開発した。わずか2つの空気圧アクチュエータと4枚の弾性ウイングで3次元の操舵を行い、速度は毎秒1.64体長、旋回は毎秒約90度に達する。複雑なAIではなく、素材の形状と弾性による機械的知能に制御を任せる設計が特徴だ。現時点ではケーブル接続の試作機で、完全な無線・自律化は未達である。研究チームは実環境向けの無線・自律版を目指している。
北京経開区でロボット競技会、29チームが実用性を競う
2026 Robot Warrior Challenge秋季大会が10月18日、北京経済技術開発区の南海子公園で開かれた。企業や中高・大学など中国全土の29チームが参加した。災害救助、産業点検、都市の運営保守の3場面で、計14の課題が課された。危険物処理や瓦礫の走破など実践的な課題が加わり、環境認識や自律判断が問われた。MirrorMe Technology、GENISOMのMilk Long Team B、XYDLのTeam A、AK Brothers Team Bが各部門で優勝した。
小惑星探査を目指す星形ソフトロボットSTARFISH
南カリフォルニア大学(USC)ViterbiとUSC宇宙工学研究センターが、生物に着想を得たソフトロボット「STARFISH」を開発している。構想は2020年にDavid Barnhart氏が、軌道上の宇宙機の溶接部や継ぎ目の検査用に立ち上げた。パンデミックで止まっていたが、2022年1月に博士課程のKristina Andreyeva氏が引き継ぎ、再始動した。将来は星形の小型ロボットを群れで小惑星に放ち、柔軟な脚で岩をつかみ、隙間に入って表面を調べる構想である。実現は数十年先とされ、現在は宇宙で動き、つかみ、移動する基礎課題に取り組んでいる。
宇宙船内の浮遊物捕獲を測るベンチマーク公開
宇宙船内で漂い回転する物体を固定ベース腕で捕獲・操作する能力を測る、オープンなベンチマークAstroBenchが公開された。MELFIハードウェアやRobotic Refueling Missionに基づく作業を含み、9つのタスク定義と29のタスク対象の組合せを備える。Objaverse由来の8,414個の物体も用意された。既存のπ0.5 DROIDポリシーは静止目標200回中2回、移動目標200回中4回しか捕獲できなかった。一方、立方体専用のACTは静止8/10、移動6/10で成功した。コードとアセットも公開されている。
今治城のお堀で自律航行ロボコン、2027年3月に試行開催
熊本県のSUNABACOが、愛媛県今治市の次世代海事人材育成と海のロボコン開催に向けた調査実証業務をプロポーザルで受託した。実証の一環として、2027年3月に今治城のお堀でエキシビション大会を開く予定だ。ROSを使う海洋ロボティクス競技で、参加チームには自律航行船の船体やLiDAR、深度カメラが供与される。発光ブイの認識、ゲート通過、RTK-GNSSによる自動着桟を完全自律で競う。大会前には技術勉強会と試走会も開かれる。
月面ローバー向けオープンソースシミュレータMARE
月の極域では太陽高度が低く、長く濃い影がステレオ視やテレイン認識、自己位置推定を難しくする。MAREはUnreal Engine 5とROS 2上に構築した、月面ローバーの知覚・自律用オープンソースのシミュレーション一式である。クレーターや岩のある地形の標高マップを生成するTerrain Studio、ステレオ・LiDAR・イベント・SPADカメラを備えた物理ベースのローバー2種、Webベースのミッション制御を行うGNCスタックで構成される。画素単位の正解データを時刻同期で出力でき、低太陽高度での予測影と描画影のIoUは平均0.79だった。実機試験の高コストを補う開発基盤となる。
MIT学生チームが月面ごみ再利用でNASA競技会優勝
NASAの月面リサイクル競技会「LunaRecycle Challenge」のフェーズ2で、MITの学生チームCERBERUZが1位を獲得した。試作機部門とデジタルツイン部門の両方で優勝し、賞金は計77万5000ドルに上る。システムは混合ごみを微粉末に粉砕し、Zotekフォームなどを補強材として再利用する。粉末は射出成形品や3Dプリント用フィラメントの原料になる。全米14の決勝チームが8月24〜28日にアラバマ大学で技術を披露した。月面基地での廃棄物削減と部品の現地調達につながる点が重要だ。